HELLO CYCLING

HELLO CYCLINGはソフトバンク傘下のOpenStreet株式会社が運営するシェアサイクルサービス、およびそのプラットフォームのことである。ソフトバンクグループの新事業提案制度を通じて誕生した。

概要

北は岩手県盛岡市から南は沖縄県那覇市まで、全国およそ4400か所のポートを有する、日本最大級のシェアサイクルサービスである。自転車に取り付けられた専用の操作パネルでスマートロックを開錠することで原則24時間365日利用できる。

さまざまな企業がオペレーターとして加盟し、HELLO CYCLINGのプラットフォームを利用して独自にサービスを運営・エリアを開拓することで、急速に規模を拡大してきた。各加盟企業は独自のブランド名(「ダイチャリ」「PULCLE」など)を持つ場合もあるが、いずれもHELLO CYCLINGとして相互に利用が可能である。

展開エリア

東京近郊(一都三県)を中心に全国各地でサービスを展開している。東京や大阪では主に郊外エリアに展開しており、都心部のポートはまばらである。

  • 岩手県盛岡市
  • 栃木県日光市
  • 茨城県筑西市
  • 茨城県土浦市
  • 長野県松本市
  • 長野県安曇野市・松川村
  • 静岡県三島市・沼津市・清水町・長泉町・函南町
  • 静岡県伊豆の国市
  • 静岡県静岡市
  • 静岡県藤枝市
  • 愛知県名古屋市
  • 愛知県岡崎市
  • 岐阜県多治見市
  • 和歌山県紀の川市
  • 香川県小豆島町・土庄町
  • 福岡県北九州市
  • 佐賀県佐賀市・白石町・鹿島市・太良町
  • 熊本県人吉市
  • 沖縄県那覇市・浦添市・宜野湾市・西原町・中城村・北谷町・沖縄市・本部町

決済手段

  • PayPay
  • クレジットカード(デビットカードは非推奨)
  • Yahoo!ウォレット
  • ドコモ払い
  • auかんたん決済/au WALLET
  • Softbankまとめて支払い
  • HELLO CARD
  • HELLOマイル

HELLO CARDは埼玉県川越市、長野県松本市、小豆島、沖縄本島で販売されているプリペイドカードである。カード裏面の16桁の数字をマイページから入力して登録することで所定額の利用が可能になる。

HELLOマイルはHELLO CYCLINGが発行する電子マネーで、1マイル=1円で利用できる。WebMoneyやBitCash、PayPayからチャージして利用する。

なお、決済方法を登録/変更する際、もしくは自転車を予約する際には、決済方法の有効性を確認するため、クレジットカード(・デビットカード)は1円、PayPay残高・キャリア決済・Yahoo!ウォレットの場合は2000円が必要。実際にいったん引き落としされるものもあるが返金される。

料金

料金体系は15分単位の料金と12時間または24時間ごとの上限額の2種類で構成されており、あらかじめ料金プランを選択することなく自動的に上限料金が適用される。登録費や年会費はない。

料金はエリアごとに異なるが、70円/15分・1000円/12時間が標準的。ただし、自転車ごとに料金が設定されているため、他エリアから流入した車両については元のエリアの料金が適用される(ダイチャリなどでは流出先の価格に修正する例もみられる)。

岩手県盛岡市70円/15分1000円/12時間
栃木県日光市200円/15分2000円/12時間
茨城県筑西市60円/15分500円/12時間
茨城県土浦市200円/15分3000円/24時間
東京都
埼玉県
千葉県
神奈川県
70円/15分
60円/15分(※1)
1000円/12時間
1000円/24時間(※1)
神奈川県湘南エリア
【KUROAD】
140円/15分2500円/12時間
長野県松本市70円/15分1000円/12時間
長野県安曇野エリア100円/15分1500円/12時間
静岡県三島・沼津エリア100円/15分1500円/12時間
静岡県伊豆の国市100円/15分1500円/12時間
静岡県静岡市70円/15分1000円/12時間
静岡県藤枝市70円/15分1000円/12時間
愛知県岡崎市50円/15分1000円/12時間
愛知県名古屋市70円/15分1000円/12時間
岐阜県多治見市70円/15分1000円/12時間
京都府100円/15分
60円/15分(※2)
1500円/12時間
1000円/12時間(※2)
大阪府70円/15分
60円/15分(※2)
1000円/12時間
大阪府大阪市ベイエリア
【KUROAD】
140円/15分2500円/12時間
兵庫県70円/15分1000円/12時間
和歌山県紀の川市70円/15分1000円/12時間
香川県小豆島100円/15分1500円/12時間
福岡県北九州市70円/15分1000円/12時間
佐賀県70円/15分1000円/12時間
熊本県人吉市70円/15分1000円/12時間
沖縄県80円/15分1000円/12時間

※1:埼玉県川越市の価格
※2:非アシスト車の価格

車両

詳しくは「HELLO CYCLINGの車両」を参照

おもにヤマハの電動アシスト自転車「PASナチュラ」が導入されているが、専用のスマートロックおよび操作パネルを取り付けられればどのような車種でも構わないため、非アシスト車や小径車、スポーツ車などの採用例もある。

2021年4月26日からは湘南エリアにて、OpenStreet社が開発したシェアサイクル専用E-bike“KUROAD”が投入されている。KUROADについては専用ステーション間の利用に限定されており、KUROADを一般ポートに返却することや一般車をKUROAD専用ステーションに返却することはできない。

沿革

詳しくは「HELLO CYCLINGの沿革」を参照

2016年11月1日
OpenStreet株式会社設立
2016年11月11日
東京都中野区でサービスを開始
2017年11月21日
セブンイレブンとの協業を開始
2021年4月26日
湘南エリアでE-bike“KUROAD”の展開を開始
2021年5月10日
JR東日本との資本業務提携を発表

利用の流れ

会員登録

アプリまたは公式サイトから新規登録を選択し、氏名やメールアドレス等必要事項を入力する。紹介コードを持っていれば所定の欄に入力する。仮登録が済んだら登録したアドレスにメールが送られてくるので、リンクをクリックして登録完了となる。
※会員登録のみPCからもおこなえる

最後にマイページの決済方法登録・変更より決済手段を登録すると自転車を利用できるようになる。

自転車を借りる

マップから自転車を借りるポートを探し、詳細を開いて自転車を予約する。自転車はバッテリー残量が多い順に並んでいるので基本的には一番上の自転車を選べばいいだろう。なお、貸出予約は30分間有効で、30分経つと自動で予約が取り消される(キャンセル料等は発生しない)。その場合は再度予約をすればよい。

ポートに着いたらサドル下などにある車番プレートで予約した自転車を探す。探し出せたら操作パネルの電源を入れ、予約時に発行された4桁の暗証番号を入力する。ICカードを登録している場合はカードのタッチでも構わない(ICカードの登録方法は後述)。ほどなく自動でロックが解除されるはずだ。

電動アシストの電源を入れる

電動アシスト自転車の場合は操作パネルとは別に電動アシスト用のパネルが取り付けられている(おもにハンドル部分)。電源を入れればアシストが効くようになるので忘れずにやっておこう。

自転車利用中
返却予約する

HELLO CYCLINGではポートごとに駐輪可能台数が決められており、原則それを越えて返却することはできない。利用中に目的のポートが埋まってしまい返却できなくなることを避けるため、返却先の駐輪枠を確保するシステムが設けられている。

自転車の利用開始後、アプリ画面の下部に「返却予約する」というボタンが現れる。これをタップすると返却可能なポートが「P」のアイコンで表示されるので、返却先を選択。「○○時○○分までに××に返却してください」という画面に切り替われば予約完了だ。この返却予約は貸出予約同様30分間有効で、30分経過後は自動で取り消される。もちろんキャンセル料等は発生しないし、再度予約作業をおこなえばよい。

なお、返却予約をせずとも駐輪枠が空いていれば自転車を返却できる。また、一時駐輪中の自転車がいる場合など見かけ上ラックが埋まっていることがあるが、こういったときでも返却予約をしていれば(もしくは駐輪枠が空いていれば)自転車を返却できる。

自転車を駐輪する

利用中に自転車を一時駐輪したいときは単にロックをかければよい。

再度利用する場合は、貸出手続同様操作パネルを起動して暗証番号を入力(もしくはICカードをタッチ)すればロックが解除される。

ICカードの登録

自転車利用中に操作パネルを起動し、未登録のICカードをタッチすると、「未登録ICカード」「ICカードを登録しますか?」と表示される。YESを選択して登録が完了すれば、以降は暗証番号入力の代わりに登録したICカードをタッチすることで開錠できるようになる。

自転車を返却する

自転車のロックをかけ、操作パネルを起動する。RETURNボタンを押して返却完了の文字が表示されれば利用終了だ。なお、ロックをかけていれば駐輪後30分以降はアプリからでも返却操作がおこなえるようになる。